足場設置時の注意点
建設現場での安全は何よりも重要です。特に足場の設置は、作業員の安全を確保するために非常に重要な役割を果たします。厚生労働省が発表している「労働災害発生状況(平成29年版)」のデータでは、労働災害による死亡者数は978人で、足場墜落・転落が全体の約26%で1位でした。 そうならないために、労働安全衛生法で安全措置が設けられています。この記事では、足場設置時の注意点とチェックリストを詳しく紹介し、足場を安全かつ効率的に使用するためのポイントを解説します。
足場設置の基本的な注意点
足場の選定
作業内容に適した足場を選定することで、足場作業の効率が大幅に向上します。例えば、高所作業や重機を使用する作業には、それに対応した強度や高さの足場が必要です。その反面、足場が適切でない場合、足場作業員の安全が脅かされる可能性があります。現場の条件に合わせて足場を選定することで、安定性が保たれ、事故のリスクを減少させることができます。
また、適切な足場を選ぶことで、無駄なコストを削減できます。過剰な強度や高さの足場を選定する必要がない場合、その分コストを節約することができます。各国や地域によって建設現場で使用する足場には規制が設けられています。作業内容や現場の条件に適した足場を選定することで、法令を遵守し、罰則を回避することができます。
適切な足場選定の具体例
高所作業 | 高層ビルの建設や修繕作業には、強度と安定性が高い足場が必要です。鋼製足場やフレーム足場が一般的に使用されます。 |
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軽作業 | 塗装や清掃などの軽作業は、アルミ製の軽量足場が適しています。足場の設置や移動が容易で、効率的に作業を進めれます。 |
不整地の作業 | 地盤が不安定な場所では、仮設足場や高さ調整可能な足場が必要です。地盤に合わせて足場の高さや位置を調整することで、安全性を確保します。 |
作業内容や現場の条件に応じて適切な足場を選定することは、作業の効率化、安全性の確保、コストの最適化、法令遵守の観点から非常に重要です。現場ごとに異なるニーズを把握し、最適な足場を選ぶことで、安全で効率的な作業環境を提供することができます。
足場設置箇所
足場の安定性は、地盤の状態に大きく依存します。地盤がしっかりしていないと、足場の支柱が沈み込んだり傾いたりすることがあり、足場全体のバランスが崩れ、足場が突然崩れる可能性が高まります。地盤の安定性を確認することで、こうした事故を未然に防ぐことができます。
また多くの地域では、足場の設置に関して地盤の確認が義務付けられています。これらの規制を遵守することは、企業の法的責任を果たすだけでなく、現場での安全文化を醸成することにもつながります。
地盤確認の方法の具体例
視覚的検査 | 地盤が目視で確認できる範囲で、固く平らかを確認します。目に見えるひび割れや沈下、軟弱な土壌などがないかをチェックします。 |
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試験掘り | 足場を設置する地盤で必要に応じて、地盤強度の確認のため試験掘りを行います。小さな穴を掘り、土壌の層や硬さを調査します。 |
専門家の評価 | 特に大規模プロジェクトや複雑地盤の場合、地質学の専門家に評価を依頼することが推奨されます。専門家は詳細な地盤調査を行い、適切な対策を提案してくれます。 |
足場を設置する前に地盤がしっかりしているか確認することは、作業員の安全を確保するための基本的かつ重要なステップです。地盤確認を怠ると、足場の安定性が損なわれ、事故のリスクが高まります。安全第一を掲げるために、地盤確認を徹底し、必要に応じて適切な対策を講じることが不可欠です。
適切な足場の設置
支柱がしっかりと固定されていないと、足場全体が不安定になり、作業員の転落や足場の崩壊などの重大な事故を引き起こす可能性があります。支柱を確実に固定することで、足場の安定性を確保し、安全な作業環境を提供します。
支柱が適切に固定されることで、足場の耐荷重性能が向上します。これにより、足場上での資材の運搬や重機の使用が安全に行えるようになります。
支柱の固定方法
基礎の設置 | 支柱の設置場所は、しっかりとした基礎を作ることが重要です。必要に応じて、基礎を強化するためのコンクリートブロックや地盤補強材を使用します。 |
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アンカーボルト | 支柱を固定するために、アンカーボルトを使用します。これにより、支柱が地面や構造物にしっかりと固定され、安定性が増します。 |
水平垂直の確認 | 支柱を設置する際には、水平と垂直を確認しながら行います。これにより、足場全体のバランスが保たれ、安定性が向上します。 |
連結部の強化 | 支柱同士の連結部は、特に強化する必要があります。ボルトやクランプを使用して、確実に固定し、支柱間のぐらつきを防ぎます。 |
支柱の固定が不十分だと、足場全体の安全性が損なわれるため、特に注意が必要です。この記事を参考に、足場設置時の支柱の固定をしっかりと行い、安全な作業環境を確保してください。
足場板の配置
足場板がしっかりと固定されていないと、作業員が足場板の上を歩いた際に板がずれてしまう可能性があります。これにより、作業員が転倒したり、足場板が外れて落下する危険性が高まります。
足場板の表面が滑りやすい状態だと、作業員が足を滑らせて転倒するリスクが高まります。特に雨や雪などの天候条件が悪い場合は、滑り止め対策が欠かせません。
具体的な滑り止め対策
滑止めシート | 足場板に滑り止めシートやテープを貼ることで、表面の摩擦を増やし、滑りにくくすることができます。 |
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表面加工 | 足場板自体に滑り止め加工を施すことも有効です。例えば、足場板の表面を凹凸状にすることで、滑り止め効果を高めることができます。/td> |
メンテナンス | 足場板の状態を定期的に点検し、滑り止め対策が劣化している場合には、すぐに修復や交換を行うことが重要です。 |
これらの対策を講じることで、足場設置時の安全性を大幅に向上させることができます。安全第一を心がけ、足場の設置と使用において万全の注意を払うことが大切です。
足場板の配置
手すりやガードレールは、作業員が足場の端に近づきすぎたり、バランスを崩したときに落下するのを防ぎます。特に高所での作業では、落下事故が重大な怪我や死亡につながることがありますので、これらの対策は不可欠です。手すりやガードレールが設置されていると、作業員は安心して作業に集中でき、作業効率も向上します。
多くの地域では、足場の設置に関する安全規定が定められています。手すりやガードレールの設置は、これらの規定を遵守するためにも重要です。違反した場合、罰則や現場の一時停止などの措置が取られることがあります。
具体的な滑り止め対策
高さの設定 | 手すりの高さは、作業員が転落しないように適切に設定する必要があります。一般的には地上から1メートル以上の高さに設置されます。 |
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強度の確保 | 足場板自体に滑り止め加工を施すことも有効です。例えば、足場板の表面を凹凸状にすることで、滑り止め効果を高めることができます。/td> |
連続性の確保 | 手すりやガードレールは、足場全体を囲むように連続して設置することが望ましいです。隙間や途切れがないように注意し、全周を安全に保護します。 |
足場設置時には、手すりやガードレールの設置が重要な安全対策となります。これにより、作業員の落下を防ぎ、安心して作業を行える環境を提供することができます。安全第一の観点から、手すりやガードレールの設置を徹底し、足場の安全性を確保しましょう。
足場設置時のチェックリスト
足場を設置する際には、以下のチェックリストを活用して、安全性を確認しましょう。
地盤の確認 | □ 地盤は安定しているか? □ 必要に応じて地盤の強化が行われているか? |
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地盤の確認 | □支柱はしっかりと固定されているか? □支柱の水平が保たれているか? |
足場板の配置 | □足場板はしっかりと固定されているか? □足場板の間隔は適切か? □滑り止め対策が施されているか? |
手すり | □手すりやガードレールが適切に設置されているか? □高所作業の場合、追加の安全対策が講じられているか? |
その他の安全対策 | □作業員に対する安全教育が行われているか? □作業中の安全装備(ヘルメット、ハーネス等)が整っているか? □定期的な安全点検が実施されているか? |
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