高所作業を伴う建設現場や改修工事において、安全な作業を支える足場は欠かせない存在です。しかし、足場の設置・使用には法律上の厳しいルールが定められており、適切な対応を怠れば重大な事故や法的責任につながるリスクもあります。そこで重要になるのが、「労働安全衛生法(労安法)」の理解と遵守です。特に足場をレンタルする際は、製品の安全性や設置方法が法令に適合しているかどうかを見極めることがとても大事です。
この記事では、労働安全衛生法における足場に関する主な規定と、レンタル時に気をつけるべきポイントをわかりやすく解説します。事故を未然に防ぎ、安心して作業を進めるための法令知識を、ぜひこの機会にチェックしておきましょう。
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労働安全衛生法とは
労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)は、労働者の安全と健康を確保し、快適な職場環境を形成するための基本的な法律です。この法律の中で、建設現場の足場作業に関する安全対策も細かく規定されています。
足場に関する主要条文一覧(早見表)
以下の早見表では、足場作業に関係する労働安全衛生法および労働安全衛生規則の主要条文を簡潔に整理しています。「どの条文が何を求めているのか」「現場ではどのような対応が必要か」を一目で把握できる構成となっていますので、現場の安全管理や社内教育資料としてもご活用いただけます。
条文 | 内容概要 | 具体的 |
---|---|---|
労安法 第21条 | 墜落・転落防止措置の義務 | 手すり・囲い・安全帯を設置。作業床幅40cm以上、手すり・中さん・つま先板必須。2m以上の高所作業が対象。 |
労安法 第14条 | 危険作業の制限と主任者 | 高さ5m以上の足場作業に「足場の組立て等作業主任者」の選任義務 |
労安法 第59条 | 作業者への教育義務 | 危険作業前に特別教育。例:フルハーネス型安全帯使用特別教育、新規入場者教育など |
労安法 第45条 | 設備の点検・保守義務 | 使用前・組立後・変更時に安全点検必須。破損部材は交換、欠陥材は使用禁止 |
労安法 第97条 | 事故発生時の報告義務 | 死亡または休業4日以上の災害 → 労基署へ「死傷病報告」を提出 |
労安法 第22条 | 作業環境整備と標識 | 転落・落下・挟まれ防止の措置。立入禁止標識、夜間照明、警告表示の設置義務 |
労安法 第21条(墜落・転落防止措置の義務)
第21条(事業者の講ずべき措置等) 事業者は、労働者を危険又は健康障害から保護するため、作業方法の決定、作業の指揮、安全な設備の設置、保護具の使用等、必要な措置を講じなければならない。
労安法第21条は、具体的に「足場作業」や「高所作業」には言及していませんが、墜落・転落の危険がある作業全般に広く適用されます。これを具体化したのが労働安全衛生規則(労安則)などの下位法令です。
労安法 第21条の適用範囲
● 建設現場での足場作業
● 屋根上作業、開口部周辺の作業
● 高さ2m以上の高所作業全般
現場における具体的な対応
作業床の確保 | 幅40cm以上、滑り止めのある足場板を使用 |
---|---|
手すり等の設置 | 高さ2m以上の作業場所には手すり・中さん・つま先板の設置が必須 |
開口部の措置 | 床開口部や壁開口部には蓋または手すり・囲いを設置 |
フルハーネス安全帯の着用 | 墜落リスクのある作業では、フルハーネスの使用が義務化 |
労安法 第14条・第14条の2(危険作業の業務制限と作業主任者の選任義務)
第14条/第14条の2(業務の制限及び作業主任者の選任) 事業者は、危険又は有害な業務を行わせる場合には、あらかじめ必要な資格を有する者をその業務に従事させなければならない。また、一定の危険作業については作業主任者を選任し、その監督を受けさせなければならない。
労安法第14条・第14条の2は、足場の組立て・解体・変更といった高リスク作業に対し、有資格者による監督を義務づけることで、事故防止の要を担います。
適用範囲
● 高さ5m以上の足場の組立て・解体・変更作業
● 梯子を用いる昇降作業
● 吊り足場の組立て・解体作業
現場における具体的な対応
主任者の選任 | 「足場の組立て等作業主任者」の資格保有者を作業現場に配置 |
---|---|
資格確認 | 作業前に主任者の技能講習修了証をチェック・記録 |
作業指揮 | 主任者が作業計画の承認・手順書に基づく指示を実施 |
業務範囲の明示 | 作業範囲を区画し、無資格者立ち入り禁止の掲示を行う |
労安法 第59条(作業者への教育の実施義務)
第59条(安全衛生教育等) 事業者は、労働者を危険又は有害な業務に従事させる場合には、当該業務に必要な安全又は衛生に関する教育を実施しなければならない。
労安法第59条は、高所作業者や新規入場者への十分な教育を義務づけ、熟練度の差によるヒューマンエラーを防止します。
適用範囲
● フルハーネス型安全帯の使用作業
● 新規入場者の屋外作業全般
● 高所昇降時の特別教育対象作業
現場における具体的な対応
特別教育の実施 | フルハーネス型安全帯使用特別教育の計画・受講記録の管理 |
---|---|
新規入場者教育 | 現場危険予知(KY)活動、作業手順・保護具使用法の講習 |
教育資料の整備 | マニュアル・動画教材を用意し、定期的な更新を実施 |
受講記録の保存 | 教育実施日・内容・受講者リストを台帳で管理 |
労安法 第45条(設備の点検・保守)
第45条(機械等の点検・整備) 事業者は、機械、器具又は設備を使用する場合には、これらの点検、整備及び保守を適切に行わなければならない。
労安法第45条は、足場を含む設備の定期点検を義務化し、構造的欠陥や破損による事故を未然に防ぎます。
適用範囲
● 足場組立後および使用前の初回点検
● 強風・大雨など異常気象後の再点検
● 長期間使用中の定期的な維持管理
現場における具体的な対応
初回点検 | 組立完了後、作業主任者による総合点検チェックリストの実施 |
---|---|
異常気象後点検 | 強風・大雨・地震後に部材の緩み・損傷を必ず確認 |
定期メンテナンス | 月次または着工から○日ごとの定期点検を計画・記録 |
部材管理 | 腐食・ひび割れ・変形した部材は即時交換 |
労安法 第97条・第100条(事故発生時の報告義務)
第97条/第100条(死傷病報告) 事業者は、労働者が死亡し、又は休業4日以上の負傷若しくは疾病をしたときは、所轄労働基準監督署長に報告しなければならない。
労安法第97条・第100条は、重大事故発生時の速やかな報告を義務づけることで、再発防止策の検討と労働者保護を図ります。
報告対象
● 労働者の死亡事故
● 休業4日以上の傷病事故
● 重大な職業性疾病の発症
現場における具体的な対応
報告書提出 | 「労働者死傷病報告書」を事故発生後速やかに所轄監督署へ送付 |
---|---|
社内連絡体制 | 安全担当者→経営者→監督署へのルートを明文化 |
記録・保管 | 報告書コピー・調査報告書を5年間保存 |
再発防止策 | 事故調査結果をもとに、是正・予防計画を策定 |
労安法 第22条(作業環境整備・標識等)
第22条(作業環境等の整備) 事業者は、作業場の環境を適切に整備し、危険の防止又は健康の保持に必要な措置として、標識の設置その他必要な措置を講じなければならない。
労安法第22条は、物理的設備だけでなく、標識や警告表示を通じて作業員への注意喚起を図り、安全な作業環境を維持します。
適用範囲
● 足場周辺の立入禁止区域の設定
● 開口部・危険箇所の警告表示
● 夜間・暗所作業時の照明設置
現場における具体的な対応
立入禁止標識 | 足場組立区域に「立入禁止」・「関係者以外立入禁止」掲示 |
---|---|
警告表示 | 高さ注意・開口部注意のピクトグラム付き看板設置 |
照明設備 | 夜間作業用に十分な投光器を配置し、影の死角を最小化 |
通路の確保 | 荷揚げ通路は障害物を排除し、幅員を確保 |
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