足場を利用する際には注意!

支柱と作業床を合わせて組み合わせた足場は、高い所でもスムーズ作業ができとても便利です。しかし、作業をするにあたって最も注意するべきポイントがあります。高所作業中の転落です。 実は、厚生労働省が発表している「労働災害発生状況(平成29年版)」のデータでは、労働災害による死亡者数は978人で、墜落・転落が全体の約26%で1位でした。 そうならないために、労働安全衛生法で安全措置が設けられています。

労働安全衛生法ってどんな法律?

労働安全衛生法は、昭和47年(西暦1972年)に労働基準法第5章から分離・独立して作られました。労働者の「安全と健康の確保」と「職場環境の形成・促進」を目的とした法律です。現場監督の方は押さえておきたい、とても重要な法律の一つです。 全文についてはこちらで確認できます。
>>労働安全衛生法

足場について書かれているものをピックアップ

第五百五十九条 (材料等)
 事業者は、足場の材料については、著しい損傷、変形又は腐食のあるものを使用してはならない。
2 事業者は、足場に使用する木材については、強度上の著しい欠点となる割れ、虫食い、節、繊維の傾斜等がなく、かつ、木皮を取り除いたものでなければ、使用してはならない。

使用する設備や材料は丈夫なものを使いましょうという基本的な条項です。例文に表記されている「損傷・変形・腐食」があれば、高所からの転落もおおいに考えられます。木皮も付いたままだと、滑って転落する恐れがあります。事業者はしっかり確認を行い、作業開始前にこういった安全への取り組みを実施したいものです。

第五百六十三条  (作業床)  ※一部抜粋
 事業者は、足場(一側足場を除く。第三号において同じ。)における高さ二メートル以上の作業場所には、次に定めるところにより、作業床を設けなければならない。
二 つり足場の場合を除き、幅、床材間の隙間及び床材と建地との隙間は、次に定めるところによること。
   イ 幅は、四十センチメートル以上とすること。
   ロ 床材間の隙間は、三センチメートル以下とすること。
   ハ 床材と建地との隙間は、十二センチメートル未満とすること。
五 つり足場の場合を除き、床材は、転位し、又は脱落しないように二以上の支持物に取り付けること。
 六 作業のため物体が落下することにより、労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、高さ十センチメートル以上の幅木、メッシュシート若しくは防網又はこれらと同等以上の機能を有する設備(以下幅木等」という。)を設けること。
6 労働者は、第三項の場合において、要求性能墜落制止用器具の使用を命じられたときは、これを使用しなければならない。

2mを超える高所で一側足場以外の足場を組む場合、以下のルールが設定されています。

(ルール1) 足場は40cm以上の幅を取ること。
(ルール2) 床材間の隙間は、3cm以下にすること。
(ルール3) 床材と建地の隙間は、12cm未満とすること。
移動式の場合を除いて、1か所に固定して足場を組む場合は、2つ以上の支持物を取り付けて下さい。床材が崩壊しないための安全策です。 落下の恐れがある場合は、高さ10cm以上の幅木や、メッシュシート、防網を使用してください。メッシュシートの大きな役割は、工具等の工事現場外への落下防止や、塗料の飛び火、砂塵飛散の防止です。夏場でも風通しがいいので、比較的温度調整の快適さにもたけています。

第五百六十四条
 事業者は、つり足場、張出し足場又は高さが二メートル以上の構造の足場の組立て、解体又は変更の作業を行うときは、次の措置を講じなければならない。
 一 組立て、解体又は変更の時期、範囲及び順序を当該作業に従事する労働者に周知させること。
  二 組立て、解体又は変更の作業を行う区域内には、関係労働者以外の労働者の立入りを禁止すること。
 三 強風、大雨、大雪等の悪天候のため、作業の実施について危険が予想されるときは、作業を中止すること。
  四 足場材の緊結、取り外し、受渡し等の作業にあつては、墜落による労働者の危険を防止するため、次の措置を講ずること。
   イ 幅四十センチメートル以上の作業床を設けること。ただし、当該作業床を設けることが困難なときは、この限りでない。
   ロ 要求性能墜落制止用器具を安全に取り付けるための設備等を設け、かつ、労働者に要求性能墜落制止用器具を使用させる措置を講ずること。ただし、当該措置と同等以上の効果を有する措置を講じたときは、この限りでない。
 五 材料、器具、工具等を上げ、又は下ろすときは、つり綱、つり袋等を労働者に使用させること。ただし、これらの物の落下により労働者に危険を及ぼすおそれがないときは、この限りでない。
 2 労働者は、前項第四号に規定する作業を行う場合において要求性能墜落制止用器具の使用を命ぜられたときは、これを使用しなければならない。

この部分については、平成27年に大改正が行われました。従来通りと考えていると、もしかしたら落とし穴があるかもしれません。
2m以上の足場組立てや解体、変更作業を行うとき以下のルールを守りましょう。

(ルール1)「いつ」、「どこで」、「どういう風に進めるか」を作業者全員に周知させる。
(ルール2)作業の区域内には、作業員以外は立入り禁止にする。
(ルール3)悪天候で危険と思えば、すぐ作業を中止しましょう。
(ルール4)緊結、取り外し、受渡し時は墜落を防止するため、下のルールを守りましょう。
  ①困難時以外は、幅40cm以上の作業床を設置する。
  ②要求性能墜落制止用器具を取り付ける。
(ルール5)材料、器具、工具等を上げ下げする時は、つり綱、つり袋等を使用させること。
(ルール6)落下防止の為にも、作業者は要求性能墜落制止用器具の使用を命じられたら使用しましょう。
現場のスケジュールが押していたり、ベテランになっていき慣れてきたりすると、抜けてしまったり、飛ばしてしまう項目もあるかもしれません。この機会にもう一度確認しておきましょう。

第五百六十五条   (足場の組立て等作業主任者の選任)
 事業者は、令第六条第十五号の作業については、足場の組立て等作業主任者技能講習を修了した者のうちから、足場の組立て等作業主任者を選任しなければならない。
第五百六十六条  (足場の組立て等作業主任者の職務)
 事業者は、足場の組立て等作業主任者に、次の事項を行わせなければならない。ただし、解体の作業のときは、第一号の規定は、適用しない。
 一 材料の欠点の有無を点検し、不良品を取り除くこと。
 二 器具、工具、要求性能墜落制止用器具及び保護帽の機能を点検し、不良品を取り除くこと。
 三 作業の方法及び労働者の配置を決定し、作業の進行状況を監視すること。
 四 要求性能墜落制止用器具及び保護帽の使用状況を監視すること。 

「足場の組立て等作業主任者技能講習」について

最初にも書きましたが、労働災害のなかで転落事故はかなり多く、 そんな事故を少しでも下げようと、厚生労働省が平成29年7月1日に新たに作ったのが「足場の組立て等作業主任者技能講習」です。
 三 作業の方法及び労働者の配置を決定し、作業の進行状況を監視すること。
受講するには、下記の2つの内どちらかに当てはまる必要があります。
①足場の組立て、解体又は変更に関する作業を3年以上経験している者
②大学や専門学校、高校で土木・建築・造船のどれかの学科を卒業し、2年以上足場の組立て、解体又は変更に関する作業を経験している者

大阪の場合はこちらから申し込みが可能です。
大阪労働基準連合会

この試験修了者が、「足場の組立て等作業主任者」になれます。足場を組み立てる際に必ず必要な資格です。修了者がいるか確認しましょう。

第五百六十七条  (点検)
 事業者は、足場(つり足場を除く。)における作業を行うときは、その日の作業を開始する前に、作業を行う箇所に設けた足場用墜落防止設備の取り外し及び脱落の有無について点検し、異常を認めたときは、直ちに補修しなければならない。
 2 事業者は、強風、大雨、大雪等の悪天候若しくは中震以上の地震又は足場の組立て、一部解体若しくは変更の後において、足場における作業を行うときは、作業を開始する前に、次の事項について、点検し、異常を認めたときは、直ちに補修しなければならない。
 一 床材の損傷、取付け及び掛渡しの状態
  二 建地、布、腕木等の緊結部、接続部及び取付部の緩みの状態
  三 緊結材及び緊結金具の損傷及び腐食の状態
  四 足場用墜落防止設備の取り外し及び脱落の有無
  五 幅木等の取付状態及び取り外しの有無
 六 脚部の沈下及び滑動の状態
 七 筋かい、控え、壁つなぎ等の補強材の取付状態及び取り外しの有無
 八 建地、布及び腕木の損傷の有無
 九 突りようとつり索との取付部の状態及びつり装置の歯止めの機能
 3 事業者は、前項の点検を行つたときは、次の事項を記録し、足場を使用する作業を行う仕事が終了するまでの間、これを保存しなければならない。
  一 当該点検の結果
  二 前号の結果に基づいて補修等の措置を講じた場合にあつては、当該措置の内容

当たり前のことですが、足場の部材や作業床は、その上に人が乗り作業します。上記のようなチェックが必要で作業が終わるまでは保管しておく義務もあります。
入念にチェックされている方も多いとは思いますが、欠損などないか点検をする習慣をつけたいものです。
安全への取り組みとして、しっかりとした足場はとても重要です。レンタルするメリットを考え、金額や計画に応じて上手に利用したいものです。
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